未来職安(柞刈湯葉)

「未来職安」「未来就活」「未来家族」「未来作家」「未来医療」「未来雇用」からなる連作短編集。
「生活基本金」が全国民に支給されるようになった未来。働いている生産者は、全消費者の1パーセント程度となった。生産者が世の中の富を生産し、所得税を納め、それによって生活や教育などを維持する機械が整備され、生活基本金が支払われ、99パーセントの消費者たちが健康で文化的に生きていくことができる……とされている。
働く人が珍しくなった中で、目黒が働くのは職安だ。もちろん専門知識を活かして生活する生産者もいるが、ここで紹介する仕事は「防犯カメラに映るだけの仕事」とか「インドの日本料理店の雰囲気を作る仕事」とかビミョーでニッチな隙間をついたものだ……

アイディアが面白い。なんかそういう未来もあるのかもなと思わせるから細かいところまでよくできているのだと思う。読みやすいなと思ったら横浜駅SFの作者の人だった。この人の小説読みやすいのに面白くていいな。現実の世界と結構地続きで面白かった。
最終話の続き気になるぅ。