ゴールデンタイムの消費期限(斜線堂有紀)

「天才小説家」である綴喜文彰は、高校時代、小説が一作も書けないでいた。進路選択を迫られるようになる中で、担当編集者から、あるプロジェクトの依頼を受ける。それは、同じ天才の学生たちが集められた「レミントン・プロジェクト」と呼ばれるものだった。参加を決めた綴喜は、どこへ連れて行かれるかも分からないまま、ヘリコプターに乗り込む。
レミントン・プロジェクトに集められたのは、「天才料理家」「天才バイオリニスト」「天才画家」などの高校生や大学生。と思いきや「元天才」たち。いっとき世間を席巻したが、結果を出せなくなっていた「元天才」を再起させるプロジェクトだったのだ。

という話。最初は「斜線堂版ダンカンロンパか?」と思ったけれどそうではなく。面白くてページをどんどんめくってしまった。もっと悲惨なことになるかと思ったが、最終的には温かい物語だった。

自分がこの元天才だったらどうするんだろうと思った。
いわゆる芸術を呼ばれる分野でAIが人を超えていく。秒島が言うとおり、芸術的に優れているから取り入れる、というのはわかるけど。わたしもAiで小説書いてみたい。
ってそれはさておき、どんな分野でも技術的なところに作家性は担保される。AIが完璧なプロットを立てても、綴喜の技術力がなければ形にならないわけで、そういう意味では「分業」として成り立つ気もする。
で、著作権はどうなるのだろう。